エビデンスとは(1)つづきます。
それでは、情報を探しだすのが大変だからといって、科学的根拠に基づく治療が行われなくなってもよいでしょうか。それは困りますよね。
また、情報を探し出すことに労力を使いすぎ、診察時間が少なくなってもよいでしょうか。それも困ります。
そこで、忙しい医療現場でも、より短時間で、より適切なエビデンスを探し出して、それを医療の現場で生かしていこうという方法が編み出されました。その方法がEBM (Evidence-based medicine)なのです。
EBMは習得が難しい技術のひとつで、ワークショップなども開催されていますが、医療現場でさりげなく実践できるようになるには多くの時間がかかります。
しかし、どのような専門家であっても、なるべく多くの医療従事者がその方法に習熟し、使えるようにしたほうがよいのではないかと思います。
さらに、医療従事者だけではありません。エビデンスは医療を受ける患者さんにも、よく知っていただきたいことです。医療従事者も患者さんも、同じ情報に基づいて判断する、情報を媒介としてお互いの理解を深める、そのようなステップが今の医療にはもっと必要ではないでしょうか。
「この治療のエビデンスは?」
「他の治療についてエビデンスがありますが、この治療をしないのはなぜ?」
このような問いかけからはじまり、治療についてお互いがよく考え、深く理解していく。そんな将来の医療を「CMECジャーナルクラブ」は提案していきたいと考えています。
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