エビデンス(evidence)とは、一般的にはあまりなじみのない英語です。日本語では「証拠、根拠」という訳になるでしょうか。
「病院の言葉」をわかりやすくする提案では、「この治療法がよいといえる証拠」と言いかえられています。
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「病院の言葉」をわかりやすくする提案
エビデンス
「エビデンス」の認知率は23.6%,理解率は8.5%であり,一般にはほとんど理解されない言葉であるので,患者に対しては使わないで説明する方がよい。
EBM (Evidence-based medicine)
「EBM」という言葉は「エビデンス」以上に知られていないので(認知率8.7%,理解率2.7%),患者に対しては使わないようにしたい。しかしその考え方は重要なので,必要に応じて,上記の[ここに注意]に記したような表現で分かりやすく説明したい。
(一部抜粋)
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われわれ医療従事者は、「臨床研究などの学術論文に基づいた科学的根拠」のことを指して使う言葉です。
ここでの臨床研究とは、「医療の現場で、医療上の問題を解決するために行う、人や地域を対象とした研究」のことを指します。
病気の原因究明のために行う基礎研究や、動物を対象とした研究も医学の進歩には大変重要ですが、われわれ医療従事者が目の前の患者さんに対してどのような医療を行うかを考える場合には、臨床研究に限定したほうがよいからです。
人を対象とした研究といっても、学術論文は日々発表されています。医学系学術論文のデータベースMEDLINEを提供しているPubMedで調べてみると、人を対象とした学術論文は11084672件(2010年5月5日時点)となっています。
このような膨大な情報から、患者さんに合った適切な科学的根拠(エビデンス)を探し出すことは、容易なことではありません。
つづく
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