今週のCMEC-TVは5月10日配信にひきつづき、超高齢者の高血圧がテーマです。今回は1999年に発表された「メタ分析」という研究で、それまでに行われたいくつかの研究をまとめて報告した研究です。
------------------------------------------------------------
超高齢者への降圧薬は有効でしょうか? 2010年5月31日配信
80歳以上の高血圧患者に降圧治療を行うと脳卒中は少ないが、死亡がやや多い傾向となる
【メタ分析】 1999年発表
Gueyffier F, Bulpitt C, Boissel JP, et al. Antihypertensive drugs in very old people: a subgroup meta-analysis of randomised controlled trials. INDANA Group. Lancet. 1999 Mar 6;353(9155):793-6. PubMed PMID:10459960.
------------------------------------------------------------
編集部より
2010年5月31日月曜日
2010年5月24日月曜日
糖尿病患者の血糖値は、薬剤でできるだけ下げたほうがよいのでしょうか?
今回は糖尿病に関する英国の大規模臨床研究、UKPDSからの1998年に発表された論文です。
------------------------------------------------------------
糖尿病患者の血糖値は、薬剤でできるだけ下げたほうがよいのでしょうか? 2010年5月24日配信
糖尿病で薬剤による集中的な血糖治療群で糖尿病合併症は少ない
【ランダム化比較試験】 1998年発表
Intensive blood-glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes (UKPDS 33). UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group. Lancet. 1998 Sep 12;352(9131):837-53. PubMed PMID: 9742976.
------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------
糖尿病患者の血糖値は、薬剤でできるだけ下げたほうがよいのでしょうか? 2010年5月24日配信
糖尿病で薬剤による集中的な血糖治療群で糖尿病合併症は少ない
【ランダム化比較試験】 1998年発表
Intensive blood-glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes (UKPDS 33). UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group. Lancet. 1998 Sep 12;352(9131):837-53. PubMed PMID: 9742976.
------------------------------------------------------------
2010年5月22日土曜日
ジャーナルクラブ編集作業中(2)
編集作業が現在、どのような工程で行われているかについて、少しご紹介します。
(1) 医学論文調査(サーベイ)
毎週発表される医学論文のうち、主要雑誌について毎週調査を行っています。現在は2名の担当者で行っています。毎週数千編もの医学論文が発表されますので、すべてを調査するのは難しいですが、そのうち、CMECジャーナルクラブ編集指針の選択基準を満たす論文を抽出します。
ここで週3-4編の論文が抽出されます。
(2) 候補論文の選択(ストック)
サーベイされた論文のうち、ジャーナルクラブの執筆工程に入れる論文を選択します。常時10-15編の論文が選択されています。
(3) 執筆
ストックの中から、トレーニングを受け一定の基準を満たした執筆担当者(現在8名)がジャーナルクラブを執筆しています。毎月8編のジャーナルクラブが執筆されています。
(4) 校正
執筆原稿をもとに、トレーニングを受け一定の基準を満たした校正担当者(現在3名)が校正して確認しています。
(5) 編集
最終の編集作業です。編集担当者が執筆者とやりとりしながら編集を行い、完成です。
以上が主な編集作業工程です。通常で論文発表から約2~3週間で完成します。現在は主に過去に発表された歴史的論文を中心に作成していますが、今後は最新論文にも対応していく予定です。
このように、CMECジャーナルクラブは一定の質を満たした医学論文を厳選して作成しています。また、一般の人が利用しやすい内容については、ジャーナルクラブの内容をさらにわかりやすくして、CMEC-TVを収録しています。こちらもいくつもの作業工程で作成されていますが、またご紹介したいと思います。
(1) 医学論文調査(サーベイ)
毎週発表される医学論文のうち、主要雑誌について毎週調査を行っています。現在は2名の担当者で行っています。毎週数千編もの医学論文が発表されますので、すべてを調査するのは難しいですが、そのうち、CMECジャーナルクラブ編集指針の選択基準を満たす論文を抽出します。
ここで週3-4編の論文が抽出されます。
(2) 候補論文の選択(ストック)
サーベイされた論文のうち、ジャーナルクラブの執筆工程に入れる論文を選択します。常時10-15編の論文が選択されています。
(3) 執筆
ストックの中から、トレーニングを受け一定の基準を満たした執筆担当者(現在8名)がジャーナルクラブを執筆しています。毎月8編のジャーナルクラブが執筆されています。
(4) 校正
執筆原稿をもとに、トレーニングを受け一定の基準を満たした校正担当者(現在3名)が校正して確認しています。
(5) 編集
最終の編集作業です。編集担当者が執筆者とやりとりしながら編集を行い、完成です。
以上が主な編集作業工程です。通常で論文発表から約2~3週間で完成します。現在は主に過去に発表された歴史的論文を中心に作成していますが、今後は最新論文にも対応していく予定です。
このように、CMECジャーナルクラブは一定の質を満たした医学論文を厳選して作成しています。また、一般の人が利用しやすい内容については、ジャーナルクラブの内容をさらにわかりやすくして、CMEC-TVを収録しています。こちらもいくつもの作業工程で作成されていますが、またご紹介したいと思います。
ジャーナルクラブ編集作業中(1)
CMEC-TVはCMECジャーナルクラブ(日本語論文要約、未公開)に基づいて作成しています。ジャーナルクラブは公開へ向けて、順次編集作業を行っています。
ジャーナルクラブは原著論文といわれる医学論文の要約のことです。医学論文は専門的な内容を含みますので、ジャーナルクラブとして要約する際に、どのような表現で、どこまでの内容を盛り込むかについて、検討を重ねています。
専門的すぎると一般の読者が理解できませんし、簡略化しすぎると専門職の使用に耐えません。しかし、お互いが同じ医療情報を使うことで、はじめてCMECジャーナルクラブの目的が達成されます。試行錯誤しながら、よりよい情報源を目指していきたいと思います。
ジャーナルクラブは原著論文といわれる医学論文の要約のことです。医学論文は専門的な内容を含みますので、ジャーナルクラブとして要約する際に、どのような表現で、どこまでの内容を盛り込むかについて、検討を重ねています。
専門的すぎると一般の読者が理解できませんし、簡略化しすぎると専門職の使用に耐えません。しかし、お互いが同じ医療情報を使うことで、はじめてCMECジャーナルクラブの目的が達成されます。試行錯誤しながら、よりよい情報源を目指していきたいと思います。
医療情報提供ガイドライン
医療情報提供に関する法規やガイドラインをまとめておきます。
医療法に関すること
------------------------------------------------------------
厚生労働省
医療法における病院等の広告規制について
薬事法に関すること
------------------------------------------------------------
医療法に関すること
------------------------------------------------------------
厚生労働省
医療法における病院等の広告規制について
日本医師会
------------------------------------------------------------薬事法に関すること
------------------------------------------------------------
東京都福祉保健局
(昭和55年10月9日薬発第1339号厚生省薬務局長通知 別紙部分を抜粋)
------------------------------------------------------------
2010年5月17日月曜日
乳酸菌製剤は小児のかぜを予防できるのでしょうか?
今回も乳酸菌製剤についてです。
------------------------------------------------------------
乳酸菌製剤は小児のかぜを予防できるのでしょうか? 2010年5月17日配信
乳酸菌製剤含有ミルクにより、小児の消化器・気道感染症の有症状日数には差がないが、託児所の欠席日数は少ない傾向がある
【ランダム化比較試験】 2001年発表
Hatakka K, Savilahti E, Pönkä A, et al. Effect of long term consumption of probiotic milk on infections in children attending day care centres: double blind, randomised trial. BMJ. 2001 Jun 2;322(7298):1327. PubMed PMID: 11387176.
------------------------------------------------------------
今のところ、論文の発表年と配信順は順不同となっています。わかりやすくするため、発表年をつけることにしました。(わかりにくいですが、引用文献にはかかれています。)
この論文は2001年に発表されたものです。
------------------------------------------------------------
乳酸菌製剤は小児のかぜを予防できるのでしょうか? 2010年5月17日配信
乳酸菌製剤含有ミルクにより、小児の消化器・気道感染症の有症状日数には差がないが、託児所の欠席日数は少ない傾向がある
【ランダム化比較試験】 2001年発表
Hatakka K, Savilahti E, Pönkä A, et al. Effect of long term consumption of probiotic milk on infections in children attending day care centres: double blind, randomised trial. BMJ. 2001 Jun 2;322(7298):1327. PubMed PMID: 11387176.
------------------------------------------------------------
今のところ、論文の発表年と配信順は順不同となっています。わかりやすくするため、発表年をつけることにしました。(わかりにくいですが、引用文献にはかかれています。)
この論文は2001年に発表されたものです。
2010年5月10日月曜日
高血圧の超高齢者で降圧剤は有効でしょうか?
今回は高血圧についてです。
------------------------------------------------------------
高血圧の超高齢者で降圧剤は有効でしょうか? 2010年5月10日
80歳以上の超高齢者では降圧治療をするとプラセボと比べて脳卒中、総死亡が少ない
【ランダム化比較試験】
Beckett NS, Peters R, Fletcher AE, et al. ; HYVET Study Group. Treatment of hypertension in patients 80 years of age or older. N Engl J Med. 2008 May 1;358(18):1887-98. Epub 2008 Mar 31. PubMed PMID: 18378519.
------------------------------------------------------------
β版で公開したものを訂正して再収録しました。
------------------------------------------------------------
高血圧の超高齢者で降圧剤は有効でしょうか? 2010年5月10日
80歳以上の超高齢者では降圧治療をするとプラセボと比べて脳卒中、総死亡が少ない
【ランダム化比較試験】
Beckett NS, Peters R, Fletcher AE, et al. ; HYVET Study Group. Treatment of hypertension in patients 80 years of age or older. N Engl J Med. 2008 May 1;358(18):1887-98. Epub 2008 Mar 31. PubMed PMID: 18378519.
------------------------------------------------------------
β版で公開したものを訂正して再収録しました。
2010年5月6日木曜日
エビデンスとは(2)
エビデンスとは(1)つづきます。
それでは、情報を探しだすのが大変だからといって、科学的根拠に基づく治療が行われなくなってもよいでしょうか。それは困りますよね。
また、情報を探し出すことに労力を使いすぎ、診察時間が少なくなってもよいでしょうか。それも困ります。
そこで、忙しい医療現場でも、より短時間で、より適切なエビデンスを探し出して、それを医療の現場で生かしていこうという方法が編み出されました。その方法がEBM (Evidence-based medicine)なのです。
それでは、情報を探しだすのが大変だからといって、科学的根拠に基づく治療が行われなくなってもよいでしょうか。それは困りますよね。
また、情報を探し出すことに労力を使いすぎ、診察時間が少なくなってもよいでしょうか。それも困ります。
そこで、忙しい医療現場でも、より短時間で、より適切なエビデンスを探し出して、それを医療の現場で生かしていこうという方法が編み出されました。その方法がEBM (Evidence-based medicine)なのです。
2010年5月5日水曜日
エビデンスとは(1)
エビデンス(evidence)とは、一般的にはあまりなじみのない英語です。日本語では「証拠、根拠」という訳になるでしょうか。
「病院の言葉」をわかりやすくする提案では、「この治療法がよいといえる証拠」と言いかえられています。
------------------------------------------------------------
「病院の言葉」をわかりやすくする提案
エビデンス
「エビデンス」の認知率は23.6%,理解率は8.5%であり,一般にはほとんど理解されない言葉であるので,患者に対しては使わないで説明する方がよい。
EBM (Evidence-based medicine)
「EBM」という言葉は「エビデンス」以上に知られていないので(認知率8.7%,理解率2.7%),患者に対しては使わないようにしたい。しかしその考え方は重要なので,必要に応じて,上記の[ここに注意]に記したような表現で分かりやすく説明したい。
(一部抜粋)
------------------------------------------------------------
われわれ医療従事者は、「臨床研究などの学術論文に基づいた科学的根拠」のことを指して使う言葉です。
「病院の言葉」をわかりやすくする提案では、「この治療法がよいといえる証拠」と言いかえられています。
------------------------------------------------------------
「病院の言葉」をわかりやすくする提案
エビデンス
「エビデンス」の認知率は23.6%,理解率は8.5%であり,一般にはほとんど理解されない言葉であるので,患者に対しては使わないで説明する方がよい。
EBM (Evidence-based medicine)
「EBM」という言葉は「エビデンス」以上に知られていないので(認知率8.7%,理解率2.7%),患者に対しては使わないようにしたい。しかしその考え方は重要なので,必要に応じて,上記の[ここに注意]に記したような表現で分かりやすく説明したい。
(一部抜粋)
------------------------------------------------------------
われわれ医療従事者は、「臨床研究などの学術論文に基づいた科学的根拠」のことを指して使う言葉です。
2010年5月3日月曜日
コレステロールを下げると死亡は減るのでしょうか?
今回も高脂血症を取り上げています。
------------------------------------------------------------
コレステロールを下げると死亡は減るのでしょうか? 2010年5月3日
コレステロール低下療法を行うと、高リスク集団においては総死亡や冠動脈疾患による死亡が少ないが、低リスク群では死亡が多い
【メタ分析】
Smith GD, Song F, Sheldon TA. Cholesterol lowering and mortality: the importance of considering initial level of risk. BMJ. 1993 May 22;306(6889):1367-73. PubMed PMID:8518602
------------------------------------------------------------
ぜひご覧下さい。
次回5月10日号は、高血圧の超高齢者で降圧剤は有効でしょうか?
------------------------------------------------------------
コレステロールを下げると死亡は減るのでしょうか? 2010年5月3日
コレステロール低下療法を行うと、高リスク集団においては総死亡や冠動脈疾患による死亡が少ないが、低リスク群では死亡が多い
【メタ分析】
Smith GD, Song F, Sheldon TA. Cholesterol lowering and mortality: the importance of considering initial level of risk. BMJ. 1993 May 22;306(6889):1367-73. PubMed PMID:8518602
------------------------------------------------------------
ぜひご覧下さい。
次回5月10日号は、高血圧の超高齢者で降圧剤は有効でしょうか?
登録:
投稿 (Atom)
CMECジャーナルクラブ会員募集中!!
2010年10月4日から「CMECジャーナルクラブ」の閲覧購読を開始しております。
すでにお申込みいただきました会員様には、 本サービスは、一定の質を満たした医学論文を厳選し、批判的吟味を加えた、日本語による論文情報閲覧サービスです。
新たにご利用を希望される会員様は下記ページをご覧いただき、ぜひお申込みをお願いします。